最近のAI界隈は、Googleの「Gemini 3」やOpenAIの「GPT-5.1」など、大規模なモデル発表で賑わっています。しかし、その陰で個人的に最も印象深かったのが、GoogleのAIアシスタント「NotebookLM」に新たに追加されたインフォグラフィック機能でした。
自分の資料を読み込ませるだけで、一瞬でビジュアル化してくれるこの機能。今回は、このNotebookLMのインフォグラフィックを、私自身のキャリア情報をソースとして使い、その実力を徹底的に試してみました。
そこで今回はこのNotebookLMのインフォグラフィックのテストの一例をご紹介し、個人的な感想をまとめたいと思います。
NotebookLMのインフォグラフィックの実験
NotebookLMとは
NotebookLMは、「自分がアップロードや登録した資料だけを読んで回答してくれる、賢いAIアシスタント」です。
例えば、ある論文のPDFをアップロードして、その論文について解説してもらったり、内容について質問したりできます。 また、特定のトピックに関するWeb記事やYouTube動画などを複数アップロードして、それらの内容をまとめてもらったり、自分が登録した情報だけに基づいて回答してもらったりすることも可能です。
インターネット全体の情報ではなく自分が選んで登録した情報だけに限定できるため、信頼できる情報に基づいた研究や調査を行うことが可能となります。
NotebookLM
https://notebooklm.google
インフォグラフィック機能を試してみました
NotebookLMは、チャットでの質問応答がメインの機能ですが、それ以外にもStudioというメニューがあり、登録した情報を様々な形式でアウトプットできます。
- 音声解説
- 動画解説
- マインドマップ
- レポート
- フラッシュカード
- テスト
- インフォグラフィック
- スライド資料
今年の春頃は「音声解説(Audio Overview)」が便利でよく使っていましたが、気づけば機能が大幅に拡充されていました。現在、僕の画面では上記8つの機能が利用可能です(契約しているプランによって異なるようです)。
今回は、この中から最近公開されたインフォグラフィック機能を試してみました。
登録した情報:今回の実験にあたり、僕のキャリアに関する以下の情報を登録しました。
- 金谷の個人ブログ
- パパゲーノでのリリース
- 上智大学のソフィア会の会報誌のPDF
- 2021年のMTDDC登壇時のプロフィール
- Paizaでのインタビュー2記事
- 昨日出たDTSPとJTSAの提携記事
- 日経大でのプロフィール
- 株式会社Digital EvangelistのHP
- スタディサプリの記事
ちなみにこれらは、僕が一つ一つ手動で選んだわけではなく、NotebookLMにソースを追加する際、「Deep Research」機能が提案してくれた記事を、そのままポチポチと追加しただけです。この「選定の手軽さ」も、今のNotebookLMの凄いところですね。
自分のプロフィールのインフォグラフィック各種
パターン1:プロンプトなしの自由生成
まずは、プロンプト(指示)を何も入力せずに、そのままインフォグラフィックを生成してみました。

いかがでしょうか。 元のファイルはPNGファイルだったのですがファイルサイズが大きくてアップロードできなかったためJPGに変換してますのでご了承ください。
内容を見てみると、確かに自分の経歴に関係のある話なのですが、情報が整理されてないというか、なんとなく要素が並んでいるだけ、という印象です。
ただ、これはこれで僕のことを何も知らない人にとっては参考になりそうです。グラフィックがあることで理解を助けてくれそうな気もしますし、文字だけの要約よりは親しみやすいアウトプットになっているかなと思います。
パターン2:経歴を指定(シンプルバージョン)
インフォグラフィックを作成する際に次のように少しカスタマイズができます。

そこで説明のところにプロンプトとして「金谷武明さんの経歴をまとめてください。」と入力してみました。その結果がこちらです。

これはぱっと見、素晴らしいですね。僕の就職氷河期から特許事務所時代、SCE時代、Google時代、そして現在に至るまでが分かりやすくまとめられています。特に「今」については、個人会社と大学、社団法人という3つの柱が明確に描かれています。凄い。
ただーし。所々漢字の間違いが目立ちます。生成AIによる画像内の日本語が文字化けしたりおかしくなったりする問題は以前からあり、それに比べればだいぶ改善された印象はありますが、まだビジネスレベルではないですね。とはいうものの、日本語として読めなくはないですし、グラフィックの構成とまとめ方自体は素晴らしい印象です。
パターン3:経歴を指定(詳細バージョン)
次に、詳細レベルの設定で”詳細(BETA)”を選んでみました。

これはさらに素晴らしいですね。まだベータ版ではあるものの、先程のバージョンよりさらに細かく、詳しくなった印象です。例えば大学院の話が追加されたり、下部にPaizaでのインタビューのまとめが追加されたり、既存の項目についてもより詳細な記述が増えています。
とりあえずこれを見せておけば、僕のこれまでの人生の概要は理解してもらえそうだな、と感じるレベルとなりました。
パターン4:現在の活動にフォーカス(詳細バージョン)
最後に、プロンプトを変えて現在にフォーカスしてみました。どのようになるでしょうか。

これもいい感じですね。3つのフォーカスエリアという構成は変わらず、その説明が細かくなっています。ただ、下にある3つのピックアップ的な項目はどうなんでしょう。「なぜこの3つ?」という疑問は少し残りますね。「Monthly Photo Challenge」は最近全然行けてないので。
おまけ:スライドも試してみました。
インフォグラフィックの実験はここまでなのですが、ついでに「スライド資料」も作ってみました。

正直「誰やねんw」という印象は拭えませんが、これはこれでストーリー構成の参考にはなる……というか、ちょっと大げさなところが目につきます。
「彼のキャリアは日本のインターネットの歴史そのものである」とか(笑)。
まあでも、スライドのドラフトとしては悪くないかもですね。残念ながら現状ではPDFとして生成されるため、直接の編集は難しいですが、最初に流れや大枠をプロンプトとして指示しておくと精度はもっと高まるかもしれません。
まとめ:インフォグラフィック機能の可能性と現状
ということで、NotebookLMのインフォグラフィック機能を試してみました。今回のテストから以下のことがわかりました。
- 構成力は実用レベル: 複雑な情報(キャリア全体や活動の柱など)をビジュアル的に優れた構成に一瞬でまとめ上げる能力は非常に高いです。プロンプトや詳細レベルを指定することで、十分に実用的なクオリティになります。
- プロンプトは必須: そのままの出力だとピントがぼやけたものになりがちです。「何を」「どのように」まとめるかをプロンプトで明確に指示することで、精度が劇的に向上します。
- 課題は日本語の誤字脱字:日本語の誤字脱字などが散見されます。生成された画像内の文字を直接修正することができないため、プロンプトで指定して再生成するか、画像編集ソフトなどで修正するなど工夫が必要です。
現時点では、実用性という意味では、手動での修正が必須ですが、アイデアの整理やプレゼンテーションのドラフト作成という用途においては、これ以上ない強力なツールです。
まずはご自身の資料を読み込ませて、ぜひこのプロンプトによる精度の向上を試してみてください!
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