旧友が「主治医」になった日

突然の極度の腰痛

50代にもなると、身体のあちこちが少しずつ悲鳴を上げはじめるものと思いますが、僕もついに、深刻な腰痛を発症しました。

寝起きが本当に大変で、一番ひどい時は腰に力を入れることができず、まったく起き上がれない。
どんな姿勢を取っても瞬間的に腰にかかる負荷に耐えきれず、起き上がるまでに一時間半もかかった日もありました。

さすがに毎朝これでは生活が成り立たないと思い、病院へ。
レントゲンも撮ってもらいましたが、結果は「腰痛です」「ぎっくり腰ではありません」という程度で、原因はよくわかりません。
そして翌朝も痛みは変わらず、危機感が募っていきました。

そんなとき、ふと思い出したのが高校時代の同級生であり、昔のバンド仲間。
彼が慶應義塾大学で鍼の先生になっていたのです。
そこで、彼に頼ってみることにしました。

バンド仲間が“博士(医学)”になっていた

高校時代、まだ現役で活動しているローリング・ストーンズのコピーバンドを、何度かやったことがありました。
そのとき、とてもギターが上手い同級生がいて。ギターも歌も上手かった。僕より上手かった(笑)。まあ、ステージ上の華は僕のほうがあったかな(笑)。

でも彼は高3のどこかのタイミングで音楽性の違いで別のバンドになってしまったんですよね。
それからは疎遠になってしまったというわけです。

僕らの通っていた学校は進学校でしたが、彼は大学に進まず、独自の道を歩みはじめました。
大学2年のころ、一度だけ偶然出くわしたことがありますが、そのときも軽く言葉を交わしただけで大きく接点を持つことはありませんでした。

それから30年(!)ほど過ぎたある日のこと。X(当時はTwitterだけど)で流れてきた記事を見たら僕の知っている名前があって。それがそのかつてのバンド仲間の鳥海くんでした。とても嬉しかったので連絡を取りたかったのですが彼はSNSなどをやっていなくて、そのときはまだ再会には至りませんでした。

しかし昨年(2024年)、母校・市川学園の卒業生が自主的に行っている勉強会で、講師として呼ばれたときに30年ぶりに再会し、連絡先を交換することができました。そこで今回連絡を取り、予約を入れてみました。

記事はこちら ⇒ ハリトヒト。「解明されていないから、一緒にやれる /鍼灸師:鳥海 春樹」https://haritohito.jp/interview/toriumiharuki

友人、そして患者として向き合う

実際に診てもらうと、一瞬で状態を把握してくれて、丁寧に説明してくれました。
僕の理解では、ざっくりとこんな感じです。

  • 今回の腰痛は、左の股関節の硬さが原因。
  • 右足に体重をかけるクセがあり、その積み重ねで左の股関節が硬くなってしまった。
  • その結果、左の腸腰筋が引っ張られ、それが腰痛を引き起こしている。

ということで、鍼を打ってもらうことになりました。
「痛いっ!」というと、「それは効いているということなので、『効く!効いた!』と言いなさい」ということで、「痛い!いや、効いた!」みたいな感じで楽しく打ってもらってます(笑)。
これまでに3回通いましたが、腰の痛みは少しずつ引きつつあります。

身体を“任せる”という新しい信頼

鍼を打ってもらっている間、いろいろ質問をしています。
自分の体調や身体の問題、鍼灸や指圧の効果、そして東洋医学全般の考え方についても。

うまく説明できるかわからないのですが、僕の理解でざっくり言うと、身体の不調は「コリ」を取り除くことで整えられる。
そしてその仕組みを科学的に明らかにしようとしている、という彼の姿勢に非常に共感しました。

さらに、腰痛の原因や身体の不調を、僕の動きや姿勢から瞬時に見抜いてくれる。
それを的確に説明しながら治療してくれる姿を見て、自然と信頼が深まりました。

今まで主治医というものを持ったことがなかったのですが、今回鳥海くんに自分の人生、健康を委ねようと思います。長生き、というより、健康寿命を伸ばせれば、という感じです。
友達なので「痛い!w」とか。「ここの鍼は何に効くの?」とか気軽に聞けるのもありがたい。

これまでの自分は、自分の身体を“自分でなんとかする”タイプだったな、と思います。夜ふかしも多く、短時間睡眠だし、身体にものすごく負担をかけてきたんだろうな、と。さすがに50代になって体力の低下や具体的な身体の不調を感じていたので今回の出会いは本当に良いめぐり合わせだなと思います。

人生の伴走者としての存在

信頼できる主治医を持つということは、自分の人生のリズムや無理のサインを一緒に見つけてくれる“伴走者”を得たということ。

「昔のバンド仲間が、これからは自分の人生のチューニングをしてくれる」というフレーズが思いついたけど恥ずかしいから使わないで終わろうと思います(笑)。

でも、そう思える相手に出会えたことは、本当にラッキーだな、と思います。
というわけで鳥海くん、これからもよろしくね。

最後に、鳥海くんはこれ以上お客さんを取る意志がないとのことで鍼灸院の場所などは控えてくださいとのことでした。でも、いろいろな場所に出没しているようなので、興味のある方はぜひ調べて訪ねてみてください!

※ちなみに彼は医学博士だけど医師ではなく鍼灸師なので「主治医」というのは正確じゃないですが、でも「主治師」とかいうと意味が伝わりにくいので、ここではとりあえず「主治医」という言い方にしておきます。

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