ChatGPTのメモリ機能改善で何が変わったのか?実際に試して整理してみた

2026年1月15日(日本時間の1月16日)、ChatGPTのメモリ機能が改善されて過去のチャットの内容をより確実に参照できるようになったという投稿が担当エンジニアと思われる @_samirism さんからありました。

we’ve been improving memory.

ChatGPT is now more reliable at finding and remembering details from your past chats, like recipes or workouts.

give it a try – and let us know what you think

翻訳(Translated by ChatGPT)

私たちはメモリ機能の改善を進めてきました。

ChatGPTは、レシピやワークアウトのように、過去のチャットに出てきた情報を、より確実に見つけ、覚えられるようになっています。

ぜひ試してみてください。感想もお聞かせください。

便利そうではあるものの公式なアナウンスはなく、また、これまでも他のスレッドを参照すること自体はできていました。そのため詳細が気になって調べてみたところ、割と色々理解できたので、ここでまとめてみようと思います。

ChatGPTのメモリ機能と改善内容

今回のメモリの改善を一言でいうと、
「あの時話してた内容の結論、結局どうなったんだっけ?」
といった問いに、より確実に答えられるようになった、という点です。

ポイントは

  • アカウントを作った直後からの投稿まで遡れる。
  • プロジェクトもサポートされている。ただし、プロジェクトの設定でメモリをデフォルトにしていること。
  • グローバルローンチ(世界中で使える。日本語でも使える)。
  • 利用するにはアカウントの設定で「チャット履歴を参照する」をオンにする必要がある。

とのこと。少し整理すると、これまでChatGPTのメモリ機能は、設定をオンにした上で

  • こちらで明示的に記憶して、とお願いしたこと
  • ChatGPTが覚えておいたほうがいいと思ったこと

を記憶し、それらを参考にしながら回答を生成していました(詳しくはヘルプ記事をご参照ください)。ただし、これら以外の過去の会話内容についても、直前の文脈や議論の流れとして推論に使われることはありましたが、それは「記憶している」というより、履歴を材料に再構成していた、という位置づけでした。とても役立つ機能で新しいスレッドでも過去の会話を前提として話ができたわけですが、履歴は全文のログを利用しているわけではありません。以前は「あの時話してた内容の結論、結局どうなったんだっけ?」といった質問をした場合、それっぽい回答は返ってきましたが実際は

  • 議論の途中案が混ざったり
  • 否定した案が含まれたり
  • 「結果的にそうなった」話が再構成されたり

することがあり、思い出しているように見えて、実は再構成していた、つまり実際の事実とは違う、というケースも少なくなかったんです。

今回の改善でも全文のログを確認しているわけではありませんが、事実をきちんと確認したうえで回答するようになったため、より確実な回答をするためのアップデート、という感じです。

そんなの自分で履歴を検索すればいいじゃないか、と思う方もいるかもですが、チャットが複数にまたがっているような場合にとても便利なのです。

ということで、早速試してみました。

ChatGPTのメモリの改善を試してみた

(金谷)去年、留学のプログラムを相談した時の相談のポイントと結論と理由を覚えてる?

(以下ChatGPTによる回答)
覚えている内容を、当時の議論構造に沿って整理する

相談のポイント(何を論点にしていたか)

1. 対象学生の前提
 ・文系・デジタル系の学生が中心
 ・語学留学ではなく、「将来の進路や視野を広げる体験型プログラム」を重視

2. プログラムの目的
 ・英語力そのものよりも
  ・グローバル企業の現場を「実体験として理解する」
  ・デジタル・プラットフォーム・テック企業が生まれる環境を体感する
 ・観光色が強すぎるものは避けたい

3, 期間と現実性
 ・学生の負担(費用・日程)を考えると短期(1〜2週間程度)
 ・初回実施として無理のない設計であること

4. 訪問先の妥当性
 ・シリコンバレー単独か
 ・西海岸の複数都市(サンフランシスコ/シアトル/ロサンゼルス等)を組み合わせるか
 ・「企業訪問」と「都市・文化理解」のバランス

結論(最終的にどうするのがよいと整理したか)

西海岸を軸に、シリコンバレーを中核に据えた「複数都市型の短期留学プログラム」が最適

という整理だった。
具体的には、
シリコンバレー
 ・Google等のテック企業
 ・スタートアップ文化・エコシステム
他の西海岸都市(例:サンフランシスコ、シアトル、ロサンゼルス)
 ・企業の多様性(IT/プラットフォーム/エンタメ)
 ・都市文化・産業構造の違いの理解
を組み合わせる設計。

その結論に至った理由(なぜそう判断したか)

1. 「一点集中」は理解が浅くなりやすい
 ・シリコンバレー単独だと
  → テックに関心がない学生には抽象的・内輪的に見えやすい

2. 比較があることで理解が深まる
 ・同じ西海岸でも
  ・シリコンバレー=技術・起業
  ・シアトル=プラットフォーム企業の本社文化
  ・ロサンゼルス=コンテンツ・エンタメ・消費者文化
 ・「なぜシリコンバレーは特別なのか」が相対化される

3. 文系デジタル学生との相性
 ・エンジニア養成ではなく
  ・ビジネス
  ・マーケティング
  ・プラットフォーム理解
   を目的とするなら、都市横断型の方が学習効果が高い

4. 初回プログラムとしての安全性
 ・1都市に全振りするより、
  ・トラブル時のリカバリ
  ・参加学生の満足度分散
   の観点でもリスクが低い

補足(当時の暗黙の前提)

 ・海外に行ったこと」自体よりも
  帰国後に学生が語れるストーリーがあるかを重視していた
 ・将来的に
  ・単位化
  ・正課・副次的プログラムへの昇格
   を見据えた実績づくりの第一歩という位置づけ

————-

もし今あらためて見直すなら、
 ・2026年以降の生成AI・プラットフォーム環境
 ・WaymoやAIスタートアップなど新しい訪問候補
 ・「企業訪問+簡単な課題設計(ミニレポート)」の有無

といった観点でアップデート余地がある。
そこまで含めて再設計するなら、次はその前提整理から一緒に詰められる。

ChatGPTによるまとめはここまでです。
※ 回答の中身自体は本題に直接関係しないため、必要に応じて読み飛ばしていただいて構いません。

実際留学プログラムの企画から実施まで沢山のスレッドで本当に様々なことを質問しました。留学先の選定から安全性の確認、留学プログラムの内容、現地でのちょっとした質問に至るまで複数のスレッドで沢山の会話をしました。

このように複数スレッドにまたがる過去の議論のファクトを確認するようなケースではとても便利ですね。

色々試した結果、次のような場合に向いているようです。

効くケース

  • 複数スレッドにまたがる議論
  • 途中で話題が分岐していて会話が複雑
  • 「最終的にどう決めたか」を確認したい
  • 自分の判断や合意事項を振り返りたい

あまり意味がないケース

  • 単発の雑談
  • その場限りのアイデア出し
  • 事実関係がそもそも重要でない相談

なお、実際に使用するうえでこの辺を気にする必要はありません。すべての質問で毎回「思い出す」処理が走るわけではなく、過去の議論を踏まえて再設計・改善・提案を行う場合は、議論の論点や方向性といった「特徴」だけで十分なことが多く、その場合はあらためてファクトを確認しにいかないのです。

ちなみに、「過去のチャットを参照できる」といっても、すべてのログ全文を常に読み返しているわけではないのです。

普段の会話では、

  • 議論の論点
  • 重視していた観点
  • 否定/採用された方向性

といった特徴(要約された情報)をもとに応答しており、今回のように、「結論」「理由」「当時の判断」などをファクトとして確認する必要がある場合に限って、追加で“思い出す”処理が走る、と理解すると近いです。

なので、「去年の〜関係の質問を確認して新しく提案して」のようなものは議論のポイントさえ押さえていれば回答できるため事実の確認は必要とならず、その場合は今回の改善機能(事実確認のための“思い出す”処理)は走らないと考えてよさそうです。

まとめ

ということで、

「あの話どうなったんだっけ?」

みたいな、複数スレッドにまたがる過去の議論の結論を確認する、といった場合に有効な感じです。

議論を一度整理したい時など、いろいろな場面で有用だと思いますので、今後も積極的に使っていきたいと思います。

※ この記事は公開情報をベースとしつつ、ChatGPTに仕様を確認しながら、実際に使ってみたうえでの挙動理解をまとめたものです。もし何か間違いやニュアンスのおかしなところがありましたらコメントか、Xの僕のアカウントまでご報告頂ければ嬉しいです。

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